2023.07.12
住宅ローンにおけるペアローンのメリットとデメリット
マイホームの購入は、多くの人にとって一生に一度の大きな投資です。その達成のためには住宅ローンが一般的な選択肢となり、その中でも「ペアローン」は共働き夫婦には非常に魅力的なオプションとなります。
しかし、人生の中で起こり得る様々な変動要素、特に離婚などを考慮に入れると、その選択が必ずしも最適とは限りません。
今回は、ペアローンのメリットとデメリットについて詳しく掘り下げていきます。
しかし、人生の中で起こり得る様々な変動要素、特に離婚などを考慮に入れると、その選択が必ずしも最適とは限りません。
今回は、ペアローンのメリットとデメリットについて詳しく掘り下げていきます。
ペアローンとは
ペアローンとは、主に共働きの夫婦が住宅ローンを組む際に利用される制度で、夫婦共々が借入人となる形式の住宅ローンです。
一般的な住宅ローンが主たる借入人とその配偶者という形式をとるのに対し、ペアローンは夫婦双方が等しく借入人となります。
一般的な住宅ローンが主たる借入人とその配偶者という形式をとるのに対し、ペアローンは夫婦双方が等しく借入人となります。
ペアローンのメリット
- 1. 高額のローンが組める
ペアローンでは、双方の収入が評価されるため、一人で借り入れるよりも高額なローンを組むことができます。これは、夢のマイホームを手に入れるために大きな魅力となります。 - 2. 返済負担が軽減される
返済責任が二人で分担されるため、一人あたりの返済負担が軽減されます。 - 3. 住宅ローン減税のメリット
ペアローンを組むことで、住宅ローン減税の特典を双方が享受することが可能です。これにより、所得税及び住民税が一定額減税されることで、長期にわたるローン返済の負担が軽減されます。
しかし、住宅ローン減税を双方が享受できるのは、原則として夫婦共同で名義人となっている場合であり、それぞれが別々に税金を納めている独立した納税者であることが必要です。
ペアローンのデメリット
しかしながら、ペアローンにもデメリットは存在します。特に重要な点をいくつか挙げてみましょう。
- 1. 離婚後の返済負担
ペアローンでは、夫婦双方が共同で借入人となりますので、離婚後も返済義務が残ります。そのため、離婚後に双方の収入が大幅に変動した場合、返済負担が一方的になる恐れがあります。 - 2. ローンの再評価
離婚後、一方がローンを全額引き受ける場合、その人の収入だけでローンを返済できるか再評価が行われます。その結果、新たな返済計画を立てる必要があるか、場合によってはローンの返済が難しくなる可能性もあります。
具体的な事例で考える
AさんとBさんは共働きの夫婦で、ペアローンを利用してマイホームを手に入れました。しかし数年後、二人は離婚を決意。Bさんが住宅を引き続き所有し、ローン返済を全額引き受けることにしました。
しかし、Bさん一人の収入では元の返済計画が続行できないと銀行から判断され、新たな返済計画を立てる必要が生じました。その結果、ローンの返済が困難となり、結局はAさんにも返済義務が戻ってきました。このように、ペアローンでは互いに連帯債務者となるため、一方が返済を続けられなくなると、もう一方にも全額の返済義務が生じます。
さらに、離婚後もローンの名義が変わらないため、その後の生活に影響を及ぼす可能性もあります。たとえば、再婚後に新たな住宅ローンを組もうとしたときに、既に一度住宅ローンを組んでいるという記録が残っているため、新たなローンの審査に影響を及ぼす可能性があります。
この事例から、ペアローンには高額なローン組成や金利低減といったメリットがある一方で、夫婦間の生活状況の変化、特に離婚の場合には、複雑な問題が生じる可能性があるというデメリットも理解する必要があります。
ペアローンは夫婦双方の収入を基にした住宅ローンであり、一見魅力的に見えるメリットがありますが、デメリットもしっかりと理解しておく必要があります。今後のライフスタイルや収入状況の変動を考え、最適な住宅ローンを選択することが大切です。
以上、マイホームの購入という大きな人生の決断に向けて、この記事が皆様の一助となることを心から願っています。
以上、マイホームの購入という大きな人生の決断に向けて、この記事が皆様の一助となることを心から願っています。