2023.09.13
ペアローンを解消し、一本化できるか?
離婚の際、共有の自宅やペアローンは大きな課題となります。ペアローンとは、夫婦が一緒に名義を組んで借り入れを行う住宅ローンのことを指します。夫婦関係が続いている間は、双方の所得に基づいてより高額なローンを組むことができるのがメリットとされていますが、離婚を検討する段階になると、このペアローンが大きな負担や障害となることが少なくありません。
1. ペアローンの解消と一本化のメリット
離婚後の自宅の所有関係やローンの関係をクリアにするため、ペアローンを解消して一方の名義だけでのローン(単有ローン)に移行することが望ましいと言われています。この一本化のメリットは以下の通りです。
- 明確な責任分担: 離婚後、ローンの返済責任が一方に明確になります。
- リスクの回避: 万が一、返済が滞った場合、両方の信用情報に影響が出るリスクを避けることができます。
2. 一本化の障害とその対応
確かに、ペアローンを単有ローンに変更することは、離婚後のトラブルを避ける最良の方法です。しかし、その過程でいくつかの障害が待ち受けています。
- 借入銀行の判断: 一本化を行うためには、再度の信用審査が必要となります。これまでの返済履歴や一本化を希望する側の信用状況によっては、変更が難しい場合もあります。
- 不動産の価値: 住宅ローンの残高と現在の不動産の価値に差が生じている場合、銀行が一本化を承認しづらくなることもあります。
- 引受ける側の所得: 一本化を行う側の所得が低い場合、銀行からの融資が難しくなることが考えられます。
3. ペアローン一本化が難しい場合の売却選択とそのリスク
ペアローンの一本化が困難と判断された場合、一つの選択肢として自宅の売却を検討することが考えられます。しかし、この選択にも注意点があります。
- 残債と売却額のギャップ: 住宅の売却額が現在の残債よりも少ない場合、その差額分の持ち出しが必要となります。これは、離婚後の経済的な負担となり得るため、十分な注意が必要です。
ペアローンを単有ローンに変更することで、離婚後の不確実性やリスクを大きく減少させることができます。しかし、その過程には様々な障害や選択肢が存在します。早めの相談や計画を立て、専門家のアドバイスを取り入れながら、最適な選択を目指しましょう。