住宅ローンの返済に関して気になることは、突然支払いが厳しくなることではないでしょうか。
計画的な返済をしていても、契約者が突然亡くなったり、重度な障害を抱えたりする可能性は否定できないですよね。
そこで今回は万が一の際に心強い団信について紹介します。
□団信とは何かについて
団信というものをご存知でしょうか。
団信とは団体信用生命保険の略で、契約者に万が一のことがあった場合、残った住宅ローンを肩代わりしてくれる制度です。
ローンを組む際に、団信にも入ることが義務づけられているでしょう。
このような団信にはいくつかの種類があります。
以下で具体的に見ていきましょう。
1つ目は三大疾病特約付団体信用生命保険です。
死亡や重度な障害以外に、ガン、心疾病、脳血管疾病の3つの疾病も対象となっている団信です。
一般的な団信ではこの3つの疾病はカバーできないため、体に不安がある方は加入すると良いでしょう。
しかし、疾病に罹った上で条件を満たす必要があります。
罹る疾病によって条件は異なりますが、疾病が原因で働けなくなったり、手術をしたりすることが条件に含まれているケースが多いでしょう。
2つ目は八大疾病特約付団体信用生命保険です。
三大疾病特約付生命保険に加えて、新たに5つの疾病もカバーする団信です。
5つの疾病とは糖尿病、肝硬変、高血圧疾病、慢性膵炎、慢性腎臓症のことを指します。
これらの疾病によって就業不能状態と見なされた場合に保険金が下りるでしょう。
3つ目はワイド団信です。
通常の団信では、契約者の健康状態によっては保険を受けることができません。
しかし、ワイド団信では軽度の審査を採用しているため、うつ病などの持病でも通過する可能性が高い団信であると言えます。
□団信の注意点について
上記で団信について説明しました。
万が一のときに備えて加入すると安心ですね。
しかし、団信に加入する際に注意点があります。
以下でその注意点を見ていきましょう。
*必ず利用できるわけではない
加入時点で健康状態が良くないと、住宅ローンの審査に落ちる可能性があります。
団信では、事前に健康告知の義務があります。
健康告知とは、過去に経験した病気や経過を伝えるもので、既往症や持病の種類によっては加入を断られるでしょう。
特に借り換えの場合、団信に加入できないと住宅ローンも組めなくなるため、注意が必要です。
それでは、団信に落ちた方は二度と住宅ローンを組めないのでしょうか。
そのようなことはありません。
金融機関によっては、団信に入る義務がない住宅ローンもあります。
しかし、万が一のときに備えていないと、住宅ローンが払えないため注意しましょう。
*団信のみではまかないきれない場合がある
上記で紹介した2つの特約でもカバーしきれない場合があります。
それは病気や怪我で働けなくなった場合です。
「疾病に罹って就業不能になったら支払われるのではないか」
このように思っている方もいらっしゃるでしょう。
しかし、団信は死亡や重度の障害が残った場合のみに効果を発揮します。
そのため、条件に満たない場合は住宅ローンを引き続き支払う義務があります。
就業が不可能な状態が短期間で済めば、有給や傷病手当金などでまかなえますが、長期間に渡ると、住宅ローンの支払いが厳しくなり、滞納する方もいます。
□滞納しそうになった場合の対処法について
住宅ローンの残高が多い状態で就業できない時期が長引くと、いずれ滞納し破綻するでしょう。
そのようなときに、どうすれば良いのか分からず不安になりますよね。
そこで、滞納の対処方法を見ていきましょう。
1つ目は親子間売買です。
親子間売買とは字から分かるように、親から子へ住宅を売ることです。
形式上、住宅の持ち主は子になり、親は賃貸していることになります。
住宅ローンの滞納を放置しておくと、最終的に住宅が競売にかけられ、自宅を追い出されるでしょう。
今まで住んでいた家から出て行くことに抵抗がある方は、競売にかけられる前に親子間売買を行うことで、今まで通りに住めます。
引っ越しをする必要がないため、引っ越しにかかる分のお金が浮き、住宅ローンの返済や他の用途にお金が回せます。
さらに、外部に自身の経済事情がバレないという安心感もあります。
しかし、住宅を買ったことになる子は、新たに住宅ローンを組むことが難しくなるでしょう。
このことがきっかけで、親子間のトラブルに発展する可能性もあります。
親子間売買をしたくても、子が買い取ってくれない場合は無理なのではないかと思う方もいらっしゃるでしょう。
そのような場合にはリースバックという方法があります。
リースバックでは親族ではなく、全くの他人に買い取ってもらい、賃貸料を払う方法です。
リースバックが成立した時点では、お金はまとまって入ってきますが、賃貸のように毎月家賃を払い続ける必要があるでしょう。
親子間売買と同様に、同じ住宅に住み続けられるメリットがあります。
将来的には住宅を買い戻すことも可能なため、賃貸として住み続ける必要はありません。
□まとめ
今回は団信について紹介しました。
団信は万が一の際に非常に心強い制度です。
しかし、条件を満たさないと住宅ローンの返済は続くため、注意が必要でしょう。
就業不能になったものの、支払いが続き、滞納しそうになった場合はぜひ当社に一度お問い合せください。