「住宅ローンを組むとブラックリストに入れられる」
このような話を聞いたことがある方はいらっしゃると思います。
しかし、具体的にどのようなものなのかご存じでない方もいらっしゃるでしょう。
そこで今回はブラックリストについて説明します。
□住宅ローンを滞納すると何が起こるのか
そもそも、住宅ローンを滞納するとどうなるかご存知ですか。
借りたお金はきちんと返すことを、当たり前のことに思い、住宅ローンを組む方は多いでしょう。
しかし、返済が思うように進まず、滞納するケースはあります。
それでは、住宅ローンを滞納してしまうと、どのようなことが起こるのでしょうか。
以下で見ていきましょう。
毎月の支払いができなかった場合、債務者は遅延損害金を支払う必要があります。
遅延損害金とは、債権者への賠償金という名目で支払うお金のことです。
ローンを組む際に交わす文書内に記載があるため免れません。
また、遅延金は利率が高い場合が多く、大きな打撃となるでしょう。
さらに滞納が続くと、期限の利益の喪失が発生します。
期限の利益の喪失とは、今までの分割払いができなくなり、一括で支払うしか手段が残されていない状態を指します。
住宅ローンを組む際、債務者には期限の利益が与えられます。
そのため、指定の期日(支払日)までローンを返済する必要はありません。
この権利によって、債務者は返済の計画を立てられます。
また、債権者も急に一括で全額返すよう要求できません。
しかし、期限の利益の喪失が起こると、いつ債務者から全額請求されるか分かりません。
一般的に、滞納してから3ヶ月が経過すると発生します。
□ブラックリストとは何か
住宅ローンを滞納すると、不利益を被ることがお分かりいただけたと思います。
それでは、滞納すると入れられるブラックリストとは一体どのようなものなのでしょうか。
ブラックリストとは、信用情報機関の事故情報リストのことです。
ブラックリストという名目のリストは存在しません。
信用情報機関とは金融機関からお金を融資したり、クレジットカードを作ったりする際に得た顧客情報を管理する場所です。
皆さんがカードを新しく発行できるのは、ここで支払いができるという信用が保証されるからです。
また、事故情報とは住宅ローンの滞納や破産を指します。
事故情報が信用情報機関に知られると、多くの面で制限が生じるでしょう。
まず、現在使用しているクレジットカードが使用できません。
返済が一度滞っているため、クレジットカードの決済も滞納されるかもしれないという懸念があるからです。
それでは、新しく作れば良いのではないかと思う方もいらっしゃるでしょう。
しかし、新しいカードも作れません。
事故情報リストに載る基準は、2ヶ月以上の滞納や3回目の支払日と言われますが、一度リストに載るとしばらくの間は情報が残ります。
短い方で5年、長い方で7年ほど制限されます。
事故情報リストから消去されると、今まで通りにクレジットカードが利用できます。
□配偶者やお子様への影響とは
ブラックリストに載ると、滞納した方に多くの制限がかかることを説明しました。
さらに心配なことは、滞納した方の配偶者やお子様への影響ではないでしょうか。
周りに迷惑をかける可能性があると不安になりますよね。
以下で見ていきましょう。
基本的に、ブラックリストによる制限は載っている本人のみに適用されます。
そのため、配偶者やお子様は自身のクレジットカードを使用できます。
しかし、専業主婦や専業主夫の場合は注意が必要でしょう。
このような方がカードを作る際は、夫や妻の収入に頼ります。
この際に、収入のある方がブラックリストに載っていると、カードの審査に落ちる可能性があるでしょう。
また、基本的にお子様に制限はかかりませんが、未成年の場合は影響が出る可能性があります。
例えば、クレジットカードを作る際、親の同意が必要になる場合があります。
親がブラックリストに載っていると、カードの審査に落ちるでしょう。
自立したお子様が、自分の収入でカードを作る場合は影響しません。
□滞納する前の対策とは
住宅ローンの滞納をすると自身や周りにも影響を与える可能性があります。
そのため、滞納する前の対策が必要不可欠です。
それでは、どのような方法があるのか見ていきましょう。
1つ目は借り換えです。
借り換えとは新しい金融機関で新しく住宅ローンを組み直すことです。
元々組んでいた住宅ローンを一括で返済した後に、再び新しい住宅ローンの返済をします。
例えば、最初に金利3パーセントのA銀行から借りたローンが1000万円残っているとしましょう。
総支払額を減らすために、より金利の低いB銀行に借り換えをしました。
すると、B銀行からA銀行で借りた1000万円を融資してもらえます。
この1000万円でA銀行に完済した後に、B銀行への返済が始まります。
金利が低くなるため、総支払額が抑えられ家計への負担も少なくなるでしょう。
2つ目はリスケジュールです。
リスケジュールとは借金の条件を変更してもらい、確実に返済できるようにする方法です。
具体的には返済額を一時的に減額したり、期限を延長したりします。
リスケジュール後の計画で期日内に完済すると、遅延損害金の支払いや、期限の利益の喪失、ブラックリスト入りはしないでしょう。
しかし、リスケジュールをすると、新しく借り入れることが難しくなることに注意が必要です。
□まとめ
今回は住宅ローンを滞納した場合のブラックリストについて説明しました。
ブラックリストに記載されると、ご自身だけではなく、周りの方にも影響を及ぼす可能性があります。
滞納する前に対策する必要がありますので、返済に困った際は、一度当社にご相談ください。