住宅ローン返済の滞納が続いている方で、破産について気になっている方は多いでしょう。
多重債務に困っている方は、破産するとどうなるのかしっかり理解しておく必要があります。
この記事では、自己破産の基礎知識やメリットについて解説します。
□自己破産とは
自己破産とは、裁判所に破産申立書を提出して免責許可をもらい、税金などを除いて債務をゼロにする手続きです。
免責を受けて債務をゼロの状態にし、再出発のチャンスが与えられます。
支払い不能という状態でなければ、自己破産できません。
支払い不能かどうかは、現段階での資産や今後見込める収入から判断されます。
免責を受けた後に得た財産は自由に管理できますが、その代わりに、ブラックリストに登録されてローンやクレジットに制限がかかります。
10年間ほどは新たな借り入れをすることなどが困難になりますし、ETCカードなども使えません。
債務がそれほど多くなくても、資産が無く、収入もギリギリ生活できるレベルしか見込めない状態であれば、自己破産できます。
ただし、たとえ支払い不能な状態でも、借り入れの原因がギャンブルや浪費などの場合は、免責は認められません。
□自己破産のメリットとは
自己破産のイメージはあまり良くありませんよね。
しかし、自己破産にはメリットもあります。
ここでは、自己破産のメリットをいくつか紹介します。
5つのメリットについてしっかり理解しましょう。
まず1つ目のメリットは、返済義務の免除です。
支払い不能の状態を認められると、支払い免除の決定が下されます。
すると、それまでの借金返済の義務がなくなります。
このメリットは、多重債務に苦しんできた人にとっては大きいでしょう。
2つ目のメリットは、請求や催促の停止です。
自己破産を依頼した際、債権者に受任通知が届きます。
受任通知とは、弁護士が依頼者の代理人となったことを通知する書類です。
受任通知を受け取った金融機関などは、金融庁のガイドラインの規定より、今後債務者に連絡、請求できません。
したがって、請求や催促がなくなるのです。
3つ目のメリットは、一部の財産は手元に残ることです。
破産法によると、99万円以下の現金や20万円未満の預貯金は没収されず、手元に残ります。
また、タンスやベッド、衣服など、生活に最低限必要なものも奪われません。
そのため、生活に最低限必要となる財産を残したまま借金の支払い義務を免れられるため、生活の立て直しが容易になります。
4つ目のメリットは、申し立ては誰でも可能なことです。
破産の申告に特別な制限はありません。
裁判所に支払い不能の状態と認められれば、誰でも自己破産できます。
無職の人や生活保護を受けている人、主婦の方も申し立てできます。
収入に関する制限は特にありません。
5つ目のメリットは、給料の差し押さえが停止または取り消しになることです。
破産手続きが始まると、債権者による個別の取り立てだけでなく、個別の強制執行も禁止されます。
すでに為されている強制執行または停止は取り消しになります。
給料を差し押さえられても、破産手続きが始まると差し押さえが停止または取り消しとなるため、再び給料を受け取れるようになるでしょう。
□自己破産すると住宅はどうなるのか
住宅ローンを組んで購入したマイホームはできればそのまま残しておきたいですよね。
しかし、自己破産すると、ほとんどのケースで家は失われます。
*住宅ローンも免責の対象になる
債務者は、債権者を選べません。
例えば、特定の人から借りたお金だけは返済して、それ以外の借金だけ申告するというような方法は取れません。
全ての債権者が対象となります。
そのため、当然住宅ローンも免責の対象となり、支払い義務が免除されます。
住宅ローンを組む際、不動産に抵当権が設定されますよね。
支払い義務が免除されて住宅ローンが返済されなくなった場合、金融機関は抵当権を設定した不動産を売り払います。
そして、その売却代金は自分の住宅ローン債権に充てられます。
*価値の高いものを所有できなくなる
住宅ローンを完済している人は今後も住み続けられると思っている方はいるかもしれません。
しかし、たとえ住宅ローンを完済しても、自己破産をすると住宅を手放すケースがほとんどです。
自己破産では、財産のうち一定額を超えるものは現金化され、債権者へ配当されます。
手元に残るのは生活に必要な最低限の財産だけです。
不動産は価値が高いため、多くの場合住宅は残せません。
住宅売却後、債務者は退去を要求されます。
住宅ローン返済中に自己破産をすると家を失うため、基本的には諦めるしかないでしょう。
□まとめ
今回は自己破産のメリットなどを紹介しました。
自己破産は様々なメリットがある一方、住宅ローンを組んで手にした家は手放すことになります。
住宅ローン滞納の解決策は破産や任意売却など様々ですが、自分1人で決めてはいけません。
まだ様々な選択肢があるうちに、まずは住宅ローン返済支援エージェントに相談に来てくださいね。